NISA貧乏という言葉をご存じですか?
https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000490792.html
https://news.yahoo.co.jp/articles/3e427f866091e47e81c0d38a4c3f823bfcc788f5
3月10日に、衆議院財務金融委員会において、片山財務大臣に見解を求められたことで大きく報道されました。
NISAは投資を効率的に行うための手段です。
後ほど片山大臣の答弁も引用しますが、投資自体を目的とすることは生活を豊かにしません。
今回はコロナ禍も経験しつつ、なんだかんだ5年以上は投資を継続できている筆者の経験も踏まえて、NISA貧乏の問題点と、投資との向き合い方について私見を書いていきたいと思います。
過去に書いた記事ではこの辺りが関連になるかと思います。併せてご覧いただけたらうれしいです。
お金は若い時に使った方がいいでしょうか?それとも投資を頑張った方がいいのでしょうか? | ふわっと公務員ライフ。
公務員は若手こそ投資すべきである ~投資環境や給与改定の状況~ | ふわっと公務員ライフ。
【家計管理編】金融庁のガイドブックから学ぶ金融リテラシー① | ふわっと公務員ライフ。
「NISA貧乏」とは何か?
まず確認しますと、NISA貧乏とは、主に20代から30代の若者が新NISAへの資金配分を優先しすぎた結果、日常生活が圧迫されている状態を指す言葉です。
先のURLから引用すると、衆議院財務金融委員会において以下のような答弁がなされました。
田中議員
「20代は投資も必要だが、自分への投資、いろいろなことをする大事な時期。現状について(片山)大臣の認識を伺いたい」片山大臣
「これはちょっとショックを受けたところ。『積み立て自体の目的化』は全く意図しておりません。もっと中庸で広範で客観的な金融経済教育を全員にくまなく広めなくてはいけない」仕事を始めた若いうちから分散投資を始めることは「非常に有用」としつつ、毎月の収入をどう使うかも金融教育に含めるべきだと答えました。
報道を見る限りでは、公的年金を頼りにしていない若年層が、とにかくNISAで投資をして、様々な活動も行うべき時期に積み立て自体を目的にしてしまうことが問題ではないかという問題提起です。それに対して、若いころから投資をすることは有効な手段ではあるが、投資をすることだけでなく、適切なライフプランニングも金融教育で必要だと答弁しているわけですね。
至極真っ当な質問と答弁だと思います。
「将来」をよく考えずにお金を使うことは分かりやすい問題ですが、「今」を考えずにとにかく投資だと盲目的に投資をするということもまた問題ということです。
投資は時間が味方になります。これは事実です。
しかし、株クラ界隈(株式投資クラスタ(cluster=集団))のいるSNSでは、やや過剰になっている人も見受けられます。最速でNISA枠(計1,800万円)を埋めることが最適解との考えも少なくありません。
20代や30代から投資を多くすることは確かに有効な資産形成手段ですが、収入やライフスタイルは人それぞれですから、過剰に投資することがよいこととは言えず、鵜呑みにし過ぎるといわゆる「NISA貧乏」に陥ってしまいます。
NISA貧乏に陥っていませんか?セルフチェックリストで確認しよう。
私は過去に投資をどんどん行っていた時期と、控えめにしていた時期とあるのでその体験談とSNS上で観測される人たちの中で投資が過剰になっている人の状況や行動特性からNISA貧乏になっていないかのセルフチェックリストを作りました。
以下で確認してみてください。
とはいえ、各々の価値観に沿った行動がとれていれば、以下に該当したからといっても問題があるとは思いません。
- 毎月の収支がギリギリ(余剰となる貯金がないかどうか)
- 冠婚葬祭や家電の故障など、数万円の急な出費で「投資信託を売るか」と悩む。
- 株価の暴落ニュースを見ると、夜も眠れないほど不安になる。
- 自己投資(旅行、読書、スキルアップ)の予算を削って投資に回している。
- 交友関係、家族、恋人・配偶者との消費行動をもったいないと思ってしまう。
- 栄養バランスが整っている食事よりも節約を優先してしまっている。
上記に当てはまる場合は少し過剰な投資になっているかもしれません。
現在の生活で現金(生活防衛資金)が不足していたり、アセットアロケーション(資産配分)が投資に偏り過ぎていると、ちょっとした支出にも対応できなくなったり、わずかな株価下落に大きく動揺してしまいます。
また、投資額をできるだけ確保するために、交際費を大きく削ったり、自己投資や食生活を犠牲にし過ぎている場合も、過剰と言ってよいかと思います。
では投資額は毎月いくらが適当なの?適切な投資までの道のり
それでは、適切な投資額はどの程度になるでしょうか。
主に20~30代のサラリーマン(特に公務員)を念頭に書いていきます。
以下のステップで考えると投資額確保までの道のりと、各々に合った適切な投資額が確認できるでしょう。
- 月々の手取り収入と支出の把握
- 生活防衛資金の確保(目安は100万円程度)
- 今後数年のライフイベントの確認(結婚、車、住宅、子育て 等)
- 継続入金できる金額をライフスタイルに合わせて設定する
(手取り額の10~20%が投資額の目安(標準的な若年層なら3~5万円で十分))
まずは、収支を把握することから始めましょう。これを行わないで、「毎月10万円投資!」とかやってしまうとNISA貧乏まっしぐらです。
そして、次は貯金です。毎月自転車操業の方は、日々の生活を安定させるための貯金から始めましょう。ライフイベントを控えている場合は必要な資金は確保するようにしましょう。
ここまでやって、投資をしていくことを推奨します。
これを行わないと、せっかく投資しても売却しなくてはならない状況に陥ってしまったり、人生に必要な消費ができないためです。
ここまでできれば、月々の投資は自由に行ってもよいのですが、一つの目安として手取り収入の10~20%を投資に回すことがよいかと思います。これを考えると毎月3~5万円を投資に回せれば標準的な収入の方にすれば十分合格点です。実家暮らしであったり、収入が多ければもっと投資してもよいかと思います。
手取りで25万円に行かない方も多いと思いますから、ここから10万円投資に回すというのがいかに難しいのかは分かるでしょう。
貯金が十分な額まで貯まる前でも、月1万円で始めたりするのはよいと思います。保有資産が変動することに精神的になれることは大事なことです。就職したばかりでも貯金と投資をハイブリッドでやってみてください。重要なことは、ライフスタイルや資産状況に合わせて収支、投資、消費のバランスを保つことです。
投資額に悩んだ時は、今後ライフスタイルが変わっても継続できるのか、今を犠牲にし過ぎていないかの視点で考えてみるとよいかと思います。
ひとつ伝えておきたいのは、ライフスタイル等は変わるということです。また、物価や収入等の前提条件も変わります。その時には柔軟に投資額も見直す必要があるので、一度設定した投資額を柔軟に変えてもよいということです。ただし、投資は時間が味方になるので、売却はしなくて済むようにして欲しいと思います。
投資との正しい向き合い方:人生の目的を忘れない・投資対象を幅広く考える
さて、NISA貧乏に陥らないためにはNISAは投資であり手段であるということを認識しないとなりません。
つまりは、人生を豊かにするための手段のひとつであるということです。
また、少し視野を広く持つことも大事です。
投資対象は金融資産だけでしょうか。そうではありませんよね。
人生を豊かにするものは何か考えると、自分の健康、交友関係、家族、知識・経験、、たくさんあるのではないでしょうか。
お金があれば解決できることは多いです。とはいえ、それだけで幸せになれるかどうかは別問題です。
お金があっても、不健康であったり、孤独であったりしては幸せにはなれないでしょう。
旅行や遊びも経験しないと上手に計画したりできないですし、一緒に楽しんでくれる友人等もできません。
会社の人間関係をないがしろにしすぎても仕事がうまくいかなくなってしまうこともあるでしょう。
私自身も20代から投資はしていましたが、旅行等も多く行っていました。プレゼントやご祝儀にもたくさん支出していました。
30代の今、これらの交際費等に使っていてよかったと思います。投資していれば多分500万円以上の資産にはなっていたと思いますが、後悔は全くありません。
思い出もそうですが、今にもつながる人間関係や経験は人生を楽しむ財産のひとつです。これらを得ることができなかった人生の方が後悔していたと思います。
NISA貧乏に陥らないためには、自分の人生や価値観と向き合い、浪費はしないようにしたうえで、投資とバランスよく付き合う姿勢が大事になります。
まとめ:NISA貧乏を避けて適切に活用し、豊かな人生を送ろう
NISA貧乏の定義や問題を確認しつつ、投資額の設定や、投資との向き合い方を私なりの考え方も交えつつ書いてきましたが、最後にまとめです。
- NISAは資産形成に有効な制度だが、ライフプランに沿った活用が必要
- 投資額は人それぞれだが目安として手取りの10~20%が目安
(一般的には3~5万円を投資できれば十分) - 投資額は柔軟に変えてもよいが、時間が味方になるため売却は避けることを推奨
- NISAはあくまで手段、人生の目的ではない
- 投資対象を各々の考え方で幅広くとらえ、バランスよく「投資」する
いかがでしょうか。
ご自身の投資との向き合い方を振り返るきっかけとしていただき、少しでも豊かな人生の一助となれば幸いです。
今回もお読みいただきありがとうございました。
年度末で忙しくなってきて、記事更新まで時間がかかってしまいました。
皆様もお忙しい日々とは思いますが、なんとか頑張っていきましょう。


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