NISA vs iDeCo ~公務員はどちらを選ぶべき?~②(退職金、税制、iDeCoの10年・19年ルール)

お金の学び

お久しぶりです。
公務員らしく年度末年度始が忙しくブログを書く余裕がありませんでした。。
かなり期間が空きましたが、引き続きよろしくお願いします。

NISAとiDeCoの活用について悩まれている方向けに以下の記事を書きました。
以下では、まずはNISAとiDeCoの概要について記載しました。

【2026.3時点】NISA vs iDeCo ~公務員はどちらを選ぶべき?~①(まずは制度を知ろう編) | ふわっと公務員ライフ。

さて、今回は第2弾として、退職金制度(公務員)、税制、iDeCoの10年・19年ルールについて見ていきます。
今回これを取り上げるのは、いわゆる出口戦略を考えないと、受け取り時に思わぬ不利益(税金として持っていかれる)を受けることがあり得るからです。
とはいえ、出口戦略にとらわれすぎることもよくありません。

NISAではこのような心配はいりませんが、iDeCoでは受け取りは原則として課税されてしまいます。一定の条件の元、非課税になることもあります。

今回は退職金制度とiDeCoの出口戦略について書いていきたいと思います。

退職金制度(公務員)

公務員向けに退職金をどの程度もらえるかを確認していきます。

退職手当の支給

上記は人事院HPです。地方公務員の退職金制度も基本的には国に準じていることから、国家公務員の制度を元に確認していきます。

退職金の算定式

算定式はなかなかにシンプルで以下のとおりです。
調べてみると実際のところは結構細かい部分もありますが、今回は詳細は無視します。

退職手当=基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給割合)+調整額

3つの要素で計算されます。

  1. 退職日の俸給月額
    退職した時点の俸給月額です。
    ここには地域手当は含まれません。俸給月額に対して乗じるからです。
  2. 退職理由別・期間別支給割合
    以下の2要素です。以下の2要素を元に支給割合表から適用される割合を適用させます。
    (1)退職理由
     自己都合、定年・応募認定(「早期退職募集制度」参照)、死亡、傷病、整理等に区分され、区分により適用率が異なります。
    (2)勤続期間
     これは分かりやすいですね。勤続期間により率が異なります。長いほど率は上がります。
  3. 調整額
    在職期間中の貢献度に応じた加算額です。基礎在職期間初日の属する月から末日の属する月までの各月毎に、当該各月にその者が属していた職員の区分に応じて定める額(調整月額)のうち、その額が多いものから60月分の調整月額を合計した額です。

具体的にはどれくらいもらえるのか

内閣府では以下のページで支給状況を公表しています。
https://www.cas.go.jp/jp/gaiyou/jimu/jinjikyoku/jinji_c5.html

令和6年度中の退職者のうち、一般行政職給料表適用者の平均では13,896千円でした。
しかし、あくまで平均値であり、先の計算式のとおりで勤続年数で支給割合は大きく変わります。

そこで、何年目の人であればどれくらいもらえるのかを、試算してみたいと思います。
https://www.jinji.go.jp/seisaku/kankoku/archive/kokkou/07kokkou_00002.html

上記のリンク先の、「第7表 適用俸給表別、経験年数階層別、給与決定上の学歴別人員及び平均俸給額」の行政職俸給表(一)の大卒区分のデータを用いて試算していくこととしたいと思います。
※勤続年数等ぴったりはできませんが、新卒から継続している前提でおおよそで試算します。
 また、調整額や在職級もおおよそで仮定して試算していきます。

俸給月額支給割合退職理由基本額調整額支給総額
40歳退職
(勤続18年)
¥348,00015.29199自己都合¥5,321,612¥813,000¥6,134,612
45歳退職
(勤続23年)
¥381,00023.0175自己都合¥8,769,667¥813,000¥9,582,667
50歳退職
(勤続28年)
¥402,00037.79055勧奨退職¥15,191,801¥1,950,000¥17,141,801
55歳退職
(勤続33年)
¥412,00045.32355勧奨退職¥18,673,302¥2,601,000¥21,274,302
60歳退職
(勤続38年)
¥414,00047.709定年退職¥19,751,526¥3,249,000¥23,000,526

勧奨退職かどうか等で大きく変わりますが、それを差し引いても45歳と50歳で大きく変わりますね。
多分大きく変わりませんが、真剣に退職手当のことを考える場合は、ご所属している組織の制度をよく確認して計算してみてください。

退職金の税制について

退職金は「退職所得」として課税対象となります。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm

(収入金額(源泉徴収される前の金額) - 退職所得控除額) × 1 / 2 = 退職所得の金額

上記が、課税対象となる所得金額の計算方法です。
退職所得は分離課税で、20.42パーセントの所得税額および復興特別所得税額が源泉徴収されます。

上記の退職所得控除額は以下のとおり計算されます。

勤続年数(=A)退職所得控除額
20年以下40万円 × A
(80万円に満たない場合には、80万円)
20年超800万円 + 70万円 × (A – 20年)

控除できる金額も勤続年数により変わります。
iDeCoも「一時金」で受け取る場合は拠出年数で同様の計算が行われます(前回の記事を参照)。

iDeCoと退職所得の関係

iDeCoは2種類の受け取り方がありますが、一時金で受け取る場合に退職所得(退職手当)との関係をよく考える必要があります。といっても、後述しますが控除を最大限にすることを目的に行動することは困難です。
基本的にはiDeCoも退職金も上記のとおり、勤続年数(拠出年数)に応じて受け取り時に控除されますが、それぞれの控除の算定期間が重複していることもあると思います。その場合に基本的には重複期間はどちらかにしか控除を使えないため、思っているより税金が増えることもあるかもしれません。
これが俗にいう。10年ルールと19年ルールです。

10年ルール(iDeCo⇒退職金の順番)

iDeCoを先に受け取り、後に退職金を受け取る場合は10年ルールがあります。
iDeCoを受け取った後に、退職金をもらうまでに10年空けば、両方に控除が使えるという制度です。
iDeCoは60歳~75歳で一時金として受け取ることができます。
とすると、最短で60歳で受け取ったとしても、70歳まで働かないとこのルールは適用されないということになります。
それムリじゃないか?と思う方が多数派だと思います。そのため、実質的にこのルール適用はできないと思っても過言ではないかと思います。

19年ルール(退職金⇒iDeCoの順番)

今度は、先に退職金を受け取った後に、iDeCoを受け取るのが19年以内の場合は両方に控除が適用できないというものが、19年ルールです。
こちらも、定年くらいまで勤めようと思っている方は、両方で控除できないということがお分かりいただけるかと思います。
早期退職制度を使ったり、若い時に転職する方ならこれを適用できる可能性があるかと思います。
ただし、控除を目的に早期退職し、給与水準の高い高年齢の勤労期間を短くすることは得策とは言えません。

まとめ ~長く働くほど控除と退職金は増となるが、控除に注意が必要~

今回の記事をまとめると以下のとおりです。

  • 退職金は長く働くほど支給額が増える
  • 控除額も同様に長くなるほど増える(退職金もiDeCoも同様)
  • iDeCoは一時金扱いの場合控除できるが、一方で控除できる期間は除外される可能性が高い
  • 控除期間にとらわれて退職等を選択することは逆に不利益を被ることもある

このことから、iDeCoを選択する場合は、受け取り時の税金の支払いは覚悟しなければならないと思います。

こうに確認していくとNISAは本当にシンプルな制度ですが、iDeCoは複雑ですね。。

次回は、これらを考慮してNISAとiDeCoのどちらを選択した方がよいか考えていきたいと思います。
今回もお読みいただきありがとうございました。
GWも終わってしまい、仕事も本番ムードの職場も多いのではないでしょうか。
体調を大事にしながら乗り切っていきましょう。

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